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流離いのCSO
平田義信

2009年07月12日

佐賀新聞の論説

 下記は平成21年7月11日付けの佐賀新聞の論説記事です。佐賀新聞は過去に、個々のCSO活動について記事を書くことはありましたが、CSO活動についてここまで突っ込んだ論説を書いたのは初めてではないでしょうか。内容も概ね現状を言い当ています。これは、CSO活動が社会を支える重要な担い手となることを、マスコミも本気で理解し始めてのだと思います。良い傾向だと思います。

CSOとは:Civil Society Organizations(市民社会組織)の略で、NPO法人、市民活動・ボランティア団体に限らず、婦人会、老人会、PTAといった組織・団体も含めて「CSO」と呼称しています。

CSO Network Japan
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CSO支援 「公益」の担い手として(7月11日付)
佐賀新聞


 ここ数年、行政の現場で「協働」という言葉をよく目にする。佐賀市は「行政と市民団体の協働」を総合計画の柱に掲げ、佐賀県や武雄市、小城市などは「県民協働」「市民協働」を冠した課や係を設けている。そのパートナーはNPOなどいわゆるCSO(市民社会組織)で、官と民が対等の立場に立って社会的な課題を解決しようという理念だが、課題も浮上している。

 市民活動に関するデータが2つある。一つは佐賀市民活動センターを利用する約600団体を対象にした活動実態調査。それぞれが抱える最大のニーズ、課題を聞いたところ、トップは「ひと」(39%)で、以下「かね」(25%)、「情報」(19%)、「もの」(17%)の順だった。

 もう一つは、県内のNPO法人の認証件数だ。1998年のNPO法(特定非営利活動推進法)の施行以来、毎年右肩上がりを続けてきたが、2006年度の64件をピークに減少。07年度は19件で、08年度も29件にとどまっている。さらに、この10年間で認証された約290団体のうち、17団体が解散している。

 2つのデータから浮かび上がるのは、活動の中核を担うミドル層をはじめ新たな参加者が少なく、メンバーが固定、高齢化する中で、停滞している市民活動の現状である。

 市民活動・ボランティアは1995年の阪神・淡路大震災で「公助」だけに頼らない「自助」「共助」の運動が注目され、NPO法の制定につながった経緯がある。その原点を考えれば、人材不足という現状は市民活動の大本が揺らいでいるということだ。

 人材不足には資金不足という「かね」の問題も背景にあるが、専門家は不況の中で、市民活動、ひいては民主主義社会の担い手だった勤労者など都市中間層が分解し、格差社会が到来したことも主因の一つと推察する。

 ただ、市民活動団体は行政事業を受託したり、指定管理者として公共施設を運営するなど、すでに「公益」の担い手となっている。子育て支援や高齢者を対象にしたコミュニティー事業など、従来型の行政では十分に対応できない課題はますます増えるはずで、市民活動の衰退は住民サービスの後退につながる。

 行政側も支援には力を入れている。佐賀市民活動センターは相談窓口や行政と団体の顔合わせの機会を設けている。佐賀県はCSOを対象にしたICT利活用セミナーを開いたり、情報発信・共有の場となる専用ブログのリニューアルを進めている。

 半面、自治体や職員によってNPOや市民団体に対する認識の差が見受けられる。事業委託では、コスト削減を主題とした「下請け」扱いが指摘される。また、地球温暖化防止では協調路線をとっても、原子力・エネルギー問題に踏み込むと拒否反応を示すというような、官の都合で団体を峻別(しゅんべつ)する傾向がないだろうか。

 NPO側も補助や助成、委託など公的な資金を受けたり、社会への貢献を目的に掲げるのであれば、自主活動とは違う責任が伴うのは当然だ。

 「協働」を耳あたりのいい一時の流行語にしないためにも、官民それぞれが互いの役割を認識しながら、信頼し合える関係をつくることがまず求められる。 (吉木正彦)


※CSOとは:Civil Society Organizations(市民社会組織)の略で、NPO法人、市民活動・ボランティア団体に限らず、婦人会、老人会、PTAといった組織・団体も含めて「CSO」と呼称しています。

平田義信
Posted by 流離いのCSO at 22:58│Comments(0)平田の呟き…
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